10月に入りシェアハウスの問い合わせが増え、内覧・お申し込みを頂き感謝の日々を送っているシェアハウス管理人です。
前回、私とムスタングとの出会いに少し触れましたが、これが件の1968’s Fender USA Mustang でございます。バンド・音楽を離れてもこのギターだけは手放すことが出来ず、ギターを再開するまではケースに入れて保管している状態で思い出してはちょっと触ってみたりしていました。
長期間放置していた割にはネックはほぼ動いていない状態で今すぐにでも本番で使えるコンディションです。私はヴィンテージといわれる物にはこだわりは無く枯れた音とか言われてもあまりピンと来ないのですが、私より年上のこのギターはボディなど乾燥しきっているせいか出音にも渋い雰囲気がある様な・・・単にパワーがないだけの様な気もしますが、フロント・リアPUミックス時の音は中々良い音が出てると思います、しかもハムキャンセル配線!!
このギターも色々と改造を施しておりますが、かなり実用的にプレイヤー視点でやらかしております。
購入時点で楽器店により調整はされていたはずですが、さすがムスタング、チョーキングをしただけでピッチが狂ってしまう状態だったので、まずはペグをスパーゼルロックペグへ交換、ブリッジ・テイルピースを調整、フレットもジャンボタイプへ打ち換えてナットもたっぷりオイルに漬け込んだ牛骨に交換しております。
また、ムスタングのダイナミックトレモロと並ぶ特徴の一つである使いにくいPUセレクターは取っ払い、ボリュームポッドの位置に3点PUセレクターを設置、トーンは外しボリュームポッドを移動させています。ミックスポジションではコイルの位相が逆で取り付けられているためハムバッカーと同じ様な状態になりノイズがかなり軽減されます。もちろんフェイズアウトは出来ません・・・
アンプとの相性が良かったのかドライブサウンドでもしっかり鳴ってくれたのでPUとボリュームポッドはオリジナルをそのまま使用しております。リードの際はさすがに厳しかったのでブーストペダルを使っていましたが結構太い音で鳴ってくれました。
ブリッジサドルも交換を検討したのですが、何故かここを触るといけない様な気がしたので手を付けていません。幸い画像の通りサビも出ておらず今でも非常にキレイな状態を保っております。
アームに関しては幾度となく調整を試みたのですが最後まで安定することが無かったので潔く諦めました。
ボディ裏面のアメリカンテイストなアルミ缶らしきステッカー、これは様々なバンドを共に渡り歩いてきたベースの△△さんに購入してすぐに貼られてしまいました。今剥がしたら塗装がめくれそうなのでそのままにしています。また、購入当時から3フレットあたりのネック裏側塗装が剝れておりました。前オーナーがこの辺りを弾き込んでいたのでしょうか?
昔は綺麗な赤色だったと思いますが、ボディは経年により黒みがかった赤色へと退色し、まるで静脈を流れる血液みたいな色になってしまいました。これも半世紀以上に渡る時の流れの味わいという事にしておきましょう。
と、様々な改造をしてしまったムスタングですがこれをレクチファイアーに直結するとレコーディングでもライブでも凄く良い音が出てたんです・・・音はイイ、確かに音は良かったのですが何故かショートスケールのムスタングなのに弦(ゲージは0.1~0.46でした)のテンションがかなりキツく、まるで針金を弾いている感覚、気合を入れて押弦しないとすぐに音が途切れてしまう正に「じゃじゃ馬」でライブでは相当扱いにくいギターでした。それがいつの日か、また何故かはわかりませんが丁度良いテンションになりとても弾きやすくなりました。年齢を重ねお互いカドがとれたんでしょうね・・・これが以降の私をムスタング大好きにしてしまった最初の1本です。
今となってはほんの少しの後悔もありますが色々改造してしまったムスタング、ヴィンテージとしての価値はほぼ無い状態ですが手放す気はないのでまぁいいかと自分を納得させる今日この頃です。ちなみにオリジナルパーツは捨ててませんよ!!